「100の思考実験 好都合な銀行のエラー」を読んだ感想

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はじめに

こんばんは。にしやまです。 100の思考実験の感想シリーズ第2弾です。

感想

物語の要約

ATMで下ろした額より実際に出てきた額のほうが大きかった。

銀行から返還の要求も来なかった為、自分のものとした。罪悪感もあったが、これは故意に盗ったのではないから銀行の責任であって窃盗ではない。と自分を納得させた。

感想

自分の利益を正当化する考えかたのほうが、そうでないほうより説得力があるように見える。

このバイアスを断ち切るのは実際難しい。 断ち切る為の考え方として、その考え方は他者から見てどう見えるか、という観点で客観視してみることが有効だと思う。 あとは自身の行為が法律的にどうなのか、というの視点で考えてみるのはいいかもしれない。と思ったが、法律も形骸化してる部分もあるので、時代に沿った正しい倫理観を身に着けてそれに従って行動するのが良いのかもしれない。

ちょっと話が逸れるが、 ある行為が自分にとって不利益であるかどうかは長期的に見ても不利益であるか、別の視点からみても不利益であるかなども判断基準に入れた方が良さそう。 また前提条件次第でもいくらでも変わりうるので、前提条件を確定させること、それは根拠があって揺らぎないものであるかも確認したい。 利益と思って返さなかったが、別の視点や長期で見ると圧倒的に不利益だったりすると悲しいことになってしまう。

つい最近現実で同様の事例が発生したのもおもしろい話だ。 どこぞの自治体が間違って4630万円を一人に振り込んでしまい、その人がそれを返さず使い込んでしまった。ネットカジノかなにかに使ってた気がする。 実際そういった立場になると正常な判断が出来なくなるのかもしれない。お金の魔力は恐ろしい。 平時は正しい倫理観を持っていてもそういった例外が発生した時にも倫理観を保つにはどうすればいいのか。さすがにいきなりそういうケースが発生したら倫理観を保てる絶対的な自信はない。 ここはプログラムを書くのと似ている気がする。 如何に例外の発生しうるケースを想定してそもそも発生しない仕組みにしておけるかということが大切だと思う。防御的プログラミングというやつ。 とはいえさすがに5630万みたいなケースは防ぎようがないので、そういう時に倫理観を保つための指標みたいなものがあればよいのかもしれない。 何を指標とするかは宗教観的な話にもなってきて長くなりそうなのでこのあたりで止めることにします。